「ダイエットをしたい」、「痩せたい」とは思いながら、体重が元に戻ったりリバウンドしたらどうしようと悩まれていませんか。
今回は「なぜリバウンドをしてしまうのか」その正体を明らかにして、リバウンドしない正しいダイエットの始め方をお教えします。
リバウンドとは?
リバウンドとは「ダイエット後にダイエットする前より体重が増えてしまう現象」です。
アメリカ・カリフォルニア大学の研究では、ダイエットで減量した人の約70%は5年後には元の体重以上に増量(リバウンド)していることがわかっています。
ダイエット挑戦者がリバウンドに苦しめられてきたことが分かりますね。
では、なぜリバウンドしまうのでしょう。
「飽き性だから向いていなかった」「堪え性がない」といった性格の問題でしょうか。
「自分は他の人と違って太りやすい」といった個人の体質の問題でしょうか。
実は、真の原因は別にあります。
それは人が持つ防衛本能です。
リバウンドの正体:防衛本能の誤作動!?
防衛本能とは人間の進化の過程で生き抜くために獲得した無意識に働く機能のことです。
この防衛本能がどうしてリバウンドを引き起こしているかを説明します。
リバウンドの原因となっている防衛本能は以下の2つです。
体の防衛本能:エネルギー消費の効率化
体は今の自分の体重を記憶しており、短期間で大きく下回ると、体の防衛機能が働きます。何をするかというとより少ないエネルギーで活動できる体に作り替えます。一度こうなると、よりダイエットしづらくなり、仮に同じ生活していてもエネルギー消費が少なくなっているためより太りやすい体になってしまいます。
どれくらいの体重減少で発生するかは個人差がありますが、1ヶ月で体重の5%以上の減少があると防衛本能が働き、痩せづらい体になるとされています。
脳の防衛本能:変化を嫌う
脳は体の消費カロリーの20%を使用しているという話を聞いたことはありませんか。脳は燃費が悪い臓器であるため、防衛本能としてエネルギー消費を抑えようとしています。具体的には、脳は物事を考え選択する時消費エネルギーが大きいため、できる限り同じ行動をさせ消費エネルギーを押さえようとします。
これが習慣というもので、一度習慣化されたものは内容の良し悪しに関係なく変化しづらいのです。
そこへダイエットでいきなり大幅な食事制限や運動するしまうとどうなるか。
脳が拒絶反応を起こします。
具体的には、「ダイエットをする気が削がれる」、「お菓子を食べたくなる」、「運動をやめたくなる」といったネガティヴな行動に出てきます。
そして、ダイエットが終わったら、脳は一生懸命元の太りやすい生活に戻してしまうというわけです。
どうして防衛本能が存在するのか?
どうして一見不要とも思える機能が備わっているのでしょう。
それは、人類が誕生して以来ずっと飢餓(きが)に苦しめられてきたからです。現代では肥満が大きな問題となっていますが、それはつい最近のことで、それまでは安定的に食料が手に入らず、飢えへの対策が必須でした。
そのため、体はエネルギー消費を抑えたり、蓄える機能を進化させてきました。逆に、太り過ぎという異常は今まで体験していないため太りすぎを防止する機能は存在していません。
つまり、元々人間の体は痩せづらく太りやすいように進化してきたのです。
そして、現代の栄養過多な食生活と運動不足という異常事態に体が対応できていないのです。
この長年機能してきた防衛本能に従って体に減量したり大きな変化があると生命の危機と勘違いして誤作動してしまうというわけです。
リバウンド防止!正しいダイエットの始め方
リバウンドの正体はお分かりいただけたでしょうか。
では、どうやってリバウンドを防止するためにはどうするべきか。
やることは「防衛本能を騙して作動させない。」ことです。
防衛本能は大きな変化を感知して作動します。逆に言えば、小さい変化であれば見過ごしてくれます。
つまり、スパイ映画さながら防衛本能のセンサーをかい潜りダイエットをすることがリバウンドをしない唯一の道です。
失敗しないためには、ダイエットの前の準備が大切です。
そこでダイエットを始める前にやるべきを3つ紹介します。
ダイエット前の習慣を記録する
まずは、今の生活を記録することです。防衛本能は今の状態から変化したときに働くため、現状を知っておくことが最優先です。
といっても全てを記録することは難しいので、ここでは最低限記録してほしい項目を3つ紹介します。
体重を記録する
まずは体重です。ダイエットの目標となるものなので継続的に記録するべきです。体重を見たくないと言う気持ちはわかりますが、ここを継続的に知っておかないと「いつ」「どこで」「どうやって」体重が変化したのかがわからないため気力を振り絞って記録してみてください。
1日最低1回(できれば2回以上(朝、晩のご飯前))が望ましいです。
毎日手入力するのが苦手な方はスマホアプリに対応した体重計を購入することをオススメします。wifiやBluetoothで体重計とスマホを連携できるので、手入力する手間が省けて便利です。
食事を記録する
次に食事です。ダイエットしているとき、ダイエット後どれくらい摂取量を抑えなければならないかを理解する上で必要です。
朝・昼・晩はもちろんおやつなどの間食も記録しておく必要があります。
最近はアプリで食事の成分を分析した栄養バランスを表示してくれる物や写真を撮るだけでAI食べ物を認識してくれるアプリがありますので便利です。
運動を記録する
最後に運動です。ジョギングやスポーツといった運動以外にも通勤中の歩行や家事を含め記録します。
これは明確な運動習慣がない方でも日常生活の活動で十分な運動ができている場合があるからです。
測定方法は最近はウェアラブルデバイス、スマートウォッチといった活動量計が売られているのでそれを身につけて記録す流ことをオススメします
特にオススメなのが心拍数を計測できるデバイスです。
なぜなら、心拍数によって運動強度(体への負荷)がわかるので、
ダイエットで自分の体にあった最適な運動強度がわかり、運動のやりすぎ防止になります。
心拍数が測れるデバイスは高価なものが多いですがその価値は十分にありますので是非買ってみてください。
自分の”体”にあったダイエットを選択する
記録によって今の自分の生活がわかったら、次はダイエットの選択です。
一番大事なことは、自分の”性格”ではなく”体”にあったものを選ぶことです。
ダイエットは当然”体”を変化させることなので、どんなに効果が高くとも今の体が耐えられないことを選ぶと失敗します。
リバウンドせずダイエットを成功させるためには体に気づかせないが大事なので、それを意識したダイエットを選びましょう。
小さく始める
ダイエットの方法を決めたら、小さく始めてください。
防衛本能が働くかどうかは始め方で決まります。
最初は効果がほとんどなくていいのです。体が慣れて習慣化していけばいずれ効果が高いこともできるようになります。
「急がば回れ」ということわざがあるように早く痩せたいと言う気持ちを抑えて、少しずつ始めましょう。
食事制限であれば、お菓子を全て止めるではなく、「健康にいい食べ物に変えてみる。」とか「5回食べていたのを1回減らしてみる。」といったところから始めましょう。
運動であれば、最初からハードな運動をするのではなく、「5分散歩してみる。」とか「SNSをみながら足上げしてみる」といったところから始めましょう。
体を慣らして続けていくことが大事です。
まとめ:リバウンドを防げるかはダイエット前にかかっている。
今回は、リバウンドの正体とリバウンドを防止するダイエットの始め方を紹介してきました。
重要なことは防衛本能の存在を認識して、いかに気づかれずに遂行するかです。それには事前の準備が非常に大切です。
リバウンド自体はダイエット後になりますが、リバウンドを防止したいならダイエット前に勝負が決まってます。
また、ダイエットしている最中は、脱出ゲームをやっているイメージで「今度はどう自分を出し抜いてやろうか。」とゲーム感覚で楽しんでやるといいでしょう。ときには防衛本能のセンサーに引っかかりやめたくなることもあるでしょう。その時は「今日はやりすぎて負けたけど、明日はこう工夫して勝つ」といった感覚があれば続けることができます。
少しずつ始めていけば成果は小さくともやめなければ必ず目標達成できます。
さあ、リバウンドに負けないダイエットを始めましょう。
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